ONE先生原作の大人気マンガ「ワンパンマン」は意外と奥が深い!
※この記事には、「ワンパンマン」の多少のネタバレ含まれます。
どうも、ナム助(@kishibenokyo)です!
私はマンガを読むことが好きなのですが、ここ最近になってようやく手をつけたマンガがあります。
それが、「ワンパンマン」です。
2015年にアニメ化し、海外からも評価を得るほどの人気を誇るマンガです。
一番上の絵の「ワンパンマン」は、村田先生によるリメイク版でして、原作はONE先生という方が2009年からウェブサイト上で配信しているのですが、2012年時点で累計1000万人以上が閲覧したとのことです。(NHK『ネット発 マンガ革命』より)
↓ちなみにこちらがONE先生の絵
今が2019年1月なので、連載開始から10年ほど経っています。
そんな前から連載されているのに、じゃあどうして私がこのマンガにこれまで手をつけずにいたかと言いますと、
「ワンパンマン」の話の内容を少し知った時、
「中学生が好みそうな内容」
「俺つえー系のマンガ」
という偏見を抱いていたからです。
ですが、実際にワンパンマンを読んでみると、「意外とこれは深い内容の漫画かもしれない」と個人的に思ったので、今日はその点について語っていきます。
その前にまず「ワンパンマン」を知らない方のために、「ワンパンマン」がどういう内容のマンガであるかをお話しします。
■「最強の主人公」がどんなに強力な怪人も「ワンパン」で倒してしまう
こちらが「ワンパンマン」の主人公であるサイタマです。
彼は「ヒーロー協会」という怪人を倒すための協会に所属しており、「趣味」でヒーロー活動をしています。
見た感じ、ただのハゲてる貧弱そうな男なのですが(実際に作中でハゲマントと呼ばれます笑)、この主人公がどんなに強い怪人も、
ほぼ一撃で倒してしまいます(一部例外がありますが)。
これだけ聞くと、「え、その漫画つまんないんじゃね?」って思う方もいらっしゃると思います。
しかし、以下の2つの仕組みにより読者を退屈にさせない内容となっています。
①サイタマの実力が(一部の人間を除いて)周囲に知れ渡っていない。
②怪人の強さを演出する描写がかなり凝っている。
以上2つのギミックにより、サイタマが怪人を一撃で倒すシーンがとても爽快に感じるマンガとなっていますので、ぜひ読むことをおすすめします。
このマンガの魅力をもっと知ってもらうためもう少し詳しく説明します。
■ヒーローや怪人にランク付けが存在する
サイタマ以外にもヒーローと呼ばれる人が存在し、彼らの強さはCからSまでの等級にランク付けされています。
このランク付けの設定で面白いのが、
作中最強の主人公であるはずのサイタマがS級ではなく、C級最下位からスタートするということです。(記述試験の成績が悪かったため)
このため、サイタマは基本的に他のヒーローにナメられながら活動を続けています。
怪人側にも同様に「災害レベル」というものが存在し、以下のように設定されています。
時には、サイタマでも勝てないかもしれないと感じてしまうほどの凶悪な怪人が出現するのですが(演出がかなり凝っているのでそう思わされます)、結局サイタマが怪人をあっさりと倒してしまうので、「あ、やっぱりそうなるんだ。」と思わず呟いてしまうのがこのマンガでお決まりのパターンとなります。
このように、サイタマが怪人を倒すシーンにばかり注目が集まりがちですが、
他のキャラクターに焦点を当ててもちゃんと面白い内容となっているのがこのマンガの面白い点です。
ここからは、私が「ワンパンマン」に魅力を感じた点を、大きく2つに分けて語っていきます。
■現実社会でもありがちな「心の弱み」と「葛藤」を、作中の強キャラを使って描いている。
作中に登場したキャラクターを2人使ってお話しします。
① イケメン仮面アマイマスク
こちらは、「ワンパンマン」に登場するA級ヒーローの「イケメン仮面アマイマスク」です。
彼のヒーローランクはA級(1位)ではありますが、S級ヒーローに匹敵する実力を持っており、彼自身も自分の実力を自負しています。
そのためか、S級ヒーローに対しても高圧的な態度を取っており、作中では単純に「嫌なやつ」というポジションです。
また、彼は「悪の存在」に対して深い憎悪を抱いており、作中で命乞いする弱い怪人を容赦なく抹殺するシーンがあります。
このシーンに対し、ジュノス(サイタマの弟子であるS級ヒーロー)は、彼の行動を、「心に余裕がない」「悪の撲滅を焦っている」と表現します。
↑こちらがジュノスです(カッイイ!!)
ここで私が思ったのは、「イケメン仮面マスク」のような、「何かに焦っている人」というのは現実にも存在するということです。
ぶっちゃけますと、実際私がそうでした。(お前かい!)
何かに対して焦ったり、固執したりすると、周りが見えない状態になります。まさに、「心に余裕がない」状態です。
私もそういった経験をしたので、「アマイマスク」をみると、これは過去の自分なんだと気づかされます。
彼の存在により、現実社会にも存在する「心の余裕のなさ」「焦りを感じている人物」がどんなものであるかを上手く表現しています。
②超合金クロビカリ
こちらはS級ヒーロー(11位)である「超合金クロビカリ」です。
自身の体が黒光っていることにアイデンティティーを感じており、また、極限まで鍛え上げた肉体が彼の強みであります。
そんな彼は、人間でありながらヒーローを狩る「人間怪人ガロウ」と対峙し、その戦闘の途中、負けるかもしれないと悟った瞬間に逃げてしまいます。
そして、自分自身が求めていたのは「気持ちのいい勝利」であり、それまでの戦いに「正義心」が伴っていなかったことに気づかされ、戦意を喪失してしまいます。
ここで同じくS級ヒーローである「ぷりぷりプリズナー」が現れ、彼に「俺も正義のためになんか戦っていない」「誰だって自分が可愛いくて当たり前だ」と叱咤します。
彼の言いたいことを私なりに解釈すると、
・人は正義などの大義名分のために生きる必要はない。
・自分の自尊心を守り育てることは立派なことだ。
ということだと思います。(もし違いましたら、ONE先生、ごめんなさい笑。)
戦いに負けて挫けたままだと、クロビカリの自尊心は永遠に打ち砕かれたままになってしまいます。
ですので、ぷりぷりプリズナーは彼に失った自尊心を取り戻してこいと叱咤したのだと私は解釈しました。
このシーンは、「ワンパンマン」の数ある名場面の中でも私が特に好きなシーンでした。
他にも、作中に出てくる「人間怪人ガロウ」の内面に焦点を当てたシーンとかも好きなのですが、
↓人間怪人ガロウ
↑ここのシーンがサイタマと対照的です
流石にこれを話すとネタバレが過ぎますので、気になる方は、ぜひONE先生の描く原作版の「ワンパンマン」を読んでみてください!(リンクは一番最後に貼っておきます!)
■「格差社会」であるヒーロー協会の中で、自分軸を持ってヒーロー活動をするサイタマの内面が魅力的
主人公以外に焦点を当てても面白いと先述しましたが、
やっぱり何といっても、
主人公であるサイタマがとても魅力的だと私は感じています。
サイタマは、先述の通りヒーロー協会に所属するヒーローとして活動を行うのですが、その協会にはランクづけが存在します(これも先述しました)。そしてこのランキングによって、ヒーローへの待遇も変わってきます。
このシステムがまた味噌であり、
ランキングを抜かれることを恐れて新人潰しをするキャラクターが存在したり、
↑サイタマにワンパンでやられます笑
下位のランキングの者に対し高圧的になるキャラクターが存在したり、
自分の派閥を作ろうとするキャラクターが存在したりします。
このように、一口にヒーローと言っても、
彼らの住む世界は基本的に「格差社会」であり、彼らの多くは「競争」を常に意識しながらヒーロー活動を行います。
この点が現実社会ととてもリンクしていて、面白いと私は感じました。
一方、サイタマはそんな「格差社会」をもろともせず、ただひたすら「趣味」としてヒーロー活動を続けることに専念しています。
また、周囲のヒーローから格下的な扱いを受ける描写がありますが、これに対しても気に留めず見事にスルーします。
(スルースキルって大事ですよね。私は皆無です笑)
このように、
周りの世界から確立し、自分軸で活動を続けるサイタマの内面がとても魅力的だと私感じました。
以上、ナム助が感じた、「ワンパンマン」の意外と奥深い点をお話ししましたが、いかがでしたでしょうか。(以外と大したことねーじゃんとか言われそう笑)
奥深さを追求しなくとも、ギャグシーンも満載で面白いので、ぜひ下のリンクからワンパンマンを読んでみることをお勧めします!
↓村田先生版の「ワンパンマン」(リメイク版)
↓ONE先生の「ワンパンマン」(原作)
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最後まで読んでいただきありがとうございました。